復讐するは我にあり 上 (1) (講談社文庫 さ 7-1)
ロードムービーとして出色の出来 -

ボニー&クライド(俺たちに明日は無い)を思わせるような、同情の余地は無いけれど
どうしてだか惹かれてしまう殺人者を描いたノンフィクション。
人なつっこい好青年が親しくなった人をいとも簡単に殺めてしまう理解不能の行動に、
最初感じていた焦燥と不穏が妙な安堵感へと変わっていく・・・・
多くの読者がそんな自分にハッとするのではないだろうか。
緒方主演の今村映画もまた邦画史上に残る名作である。合わせて御覧になられたい。
佐木隆三世界の始まり -

ちょっと解釈に興味が起こる犯罪があると、佐木隆三的解釈が気になるほど犯罪のオーソリティになった感のある作者の記念すべきデビュー作品。東京オリンピックが開催される前年から1964年の正月にかけて九州から北海道を股にかけて「殺し」まくった異常な犯罪を丹念に足跡を追っていく、それにしてもこの本の題名の意味が分からんかったのですが、解説を読んで納得、下巻のつかまった後の心理的変化の追跡もなかなかの出来です。父親は牧師にさせようと教育したという人間がこのような人生を辿るとは、本当に生きることは摩訶不思議な行為であることを妙に認識させてくれる作品です。一読をお薦めします。
一気に読ませる -

事実は小説より奇なり、ということを痛感させるノンフィクション・ノベル。上下2巻だが、ストーリー展開の面白さで一気に読ませる。