オシムの言葉 (集英社文庫 き 10-3)
オシムの言葉 (集英社文庫 き 10-3)
これは語録本ではない。 - ☆
確かにオシムは日本人には幾分奇異にも感じられる数々のウィットに富んだ言葉を残したが、本書はいわゆるスポーツ選手やその他著名人の語録を集めた本とは明らかに一線をかくす本である。その内容は戦争の悲惨さや愚かさを生々しく伝える本である。
若い人たちが本書を”勘違いしてでも”手に取って読んでくれることを切に願う。
真摯な姿に・・・ - ☆
感動を覚えました。
付箋貼りまくり本となり、何度も読み返しています。
文庫化される前のも読みましたが、川口などのエピソードも加筆されたコチラは、
なかなかお買い得な感じがします。

サッカーを習っているのに、一向にテレビで試合など興味を示さない我が子。
まぁ私もあまり詳しくはないし、語るのもおこがましいのですが、そのサッカー
に対する情熱・物事の考え方・ユーモアのセンス。・・・脱帽です。
読んでいるコチラが、『このままじゃイカン!!』とインスパイアされてしまいました。
いつもなぜか、いてもたってもいられない気持ちにさせられます。

私個人は木村氏の文章も心地よく、好感がもてます。
第7章【語録の助産夫】が特に好きで、ジェフを底上げするのと共に日本サッカー
界までも底上げしようとする姿に、頭が下がる思いがしました。
オシム氏の凄さと同時にスポーツが戦争のプロパガンダに利用される悲しみ - ☆
オシム氏の考え方といった点について、人を管理する立場にあるものとしては参考にするべき点は多い。
私自身は個人的にはユーゴスラビア代表監督時に、民族独立運動の内紛に巻き込まれて、サッカーがある意味政治のプロパガンダに利用されていくことには何とも言えない悲しさがあった。
その中で自分を貫くことは身の危険を覚えることもあったろうし、相当な意志が必要であったろう。改めて、その姿にオシム氏の凄さを感じる。

オシムは本当に優秀でいい監督 - ☆
 この本を読むまで、オシムがここまで優秀な監督だったとは知らなかった。
 例えば練習で「こうしろ」と指示を出す。でも選手に求めるのは、その指示通りプレーすることではない。それをベースによりよいプレーを考え、実行することを求める。オリジナリティを求める。ここに根本的に日本の指導者との違いがある。
 日本人とオシム、どちらの方が優秀な監督か、というと比較は単純ではないが、ことサッカーというスポーツに限ってしまえば、間違いなくオシムなのだろう。
 というのは、サッカーというスポーツが常に変化しているスポーツでこれという型のないスポーツだから。
 ただ指導している立場からは「選手が自由に考えること」というのは、なかなか許容しにくいのではないか。せっかく色々と考えて「こうしろ」といっているのに違うことをされる。ムカッとくるかも。
 オシムはこのあたり、超越的で公平、かつ冷静な目を持っている。つまり本当にすばらしい監督なのだと思う。
書き手と対象の幸福な出会い - ☆
木村元彦とオシムが出会ったことは必然ともいえようか。旧ユーゴのサッカーシーンを隈なく取材したこのジャーナリストでなければオシムは描けなかったであろう。オシムが代表監督に就任する以前から12万部以上売れていた作品である。印象的なのは、川渕キャプテンが、オシムポロリ発言の後に「オシムの言葉という本を読んで感銘を受けた」と発言した際のこと。普通の書き手ならば、日本サッカー協会会長による最高の宣伝に喜ぶところだが、木村は激怒したのだった。オファーの出し方に筋を通さない会長を逆に糾弾したのだ。川渕会長は子飼いのライターにしたかったようだが、相手が悪かった。やっかみでクサす人もいるが、文章も素晴らしい。エミール・クストリッツァを相手にチョミスキーやハントケについて議論できる知性は木村元彦の他にそうはいない。(月刊プレイボーイに収録)
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