モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち (知恵の森文庫)
モーツァルトの息子   史実に埋もれた愛すべき人たち (知恵の森文庫)
歴史の裏通りに名を残す、風変わりな30の人生 - ☆
 歴史の表舞台には登場してこないけれど、風変わりな人生を生きた人たち。モーツァルトやゲーテ、ナポレオンが活躍した近世から、第一次大戦、第二次大戦が勃発した近代にかけての主にヨーロッパを舞台に、一見、奇妙ではあるけれど、自らの個性を十分に発揮して生きた人たち。歴史の裏通りでふと出会って、忘れがたい印象を残す30人の人生の足跡を、さくっと紹介していくエッセイ集。
 昔の新聞記事の中で、意外な妙味のある人生、風変わりな人たちの紹介文に出くわしたみたいな感じ。「へーっ。けったいな人生、おもろい人たちがいたんやなあ」てなことを、随所で感じましたねぇ。1998年に、『姿の消し方』のタイトルで、集英社から初出・刊行された本。こうして文庫化された一冊を読んで、思いがけず、掘り出しものに出会った心持ちになりました。
 独自の魅力と精彩に富んだ30の人生のなかでも、次の5人の人生が面白かったですね。
◆サイレント映画の困った監督、エーリヒ・フォン・シュトロハイムを取り上げた・・・・・・「貴族の血」
◆18世紀後半、奇妙な顔の彫像を数多く作ったフランツ・クサヴァー・メサーシュミット・・・・・・「顔に憑かれた男」
◆わびしいひとり者を描き続けた19世紀、ミュンヘンの画家、カール・シュピッツヴェーク・・・・・・「屋根裏のひとり者」
◆1920年代、一世を風靡した女子テニス選手、スザンヌ・ラングラン・・・・・・「スザンヌの微笑」
◆豊かな胸と腰、尻を持つ女を繰り返し描いた19世紀の画家、フェリシアン・ロップス・・・・・・「尻の哲学」
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