つくられた卑弥呼―“女”の創出と国家 (ちくま新書)
つくられた卑弥呼―“女”の創出と国家 (ちくま新書)
卑弥呼を探す新しいヒントをもらえる - ☆
<1>諸説の多い卑弥呼を、日本古代の女性像、家・結婚・名前などの社会慣習の観点から論じたもの。卑弥呼とは誰ぞやというなぞを解くための状況証拠的な素材をいろいろ指摘している。今後の考えるヒントを沢山もらえた。一般的な表現ことばで語られて非専門家の私にも面白く読むことができた。構成は、一般人の素朴な疑問を自問自答的になっているので門外漢の私でも気楽に読むことができた。全体の論調が静かなのも好感が持てる。こうだという決定論(決定案)まで至らないのは、テーマがテーマだけに仕方がないだろう。<2>現在、私たちがイメージする「政治は弟にまかせた神秘的大巫女」という卑弥呼像は明治の天皇制確立と同期して、作られ定着した解釈であると言う。また、記紀が書かれた時代は、ようやく天皇が王権を確立した時期なので、天皇系の正当性・差異性を主張するための「こじつけ」解釈が入ったのかもしれないとも言う。卑弥呼は、九州の女酋だったのか、日本書紀のいう神功皇后だったのか、纏向遺跡(箸墓)の埋葬者なのか、ヤマトヒメなのか、それとも、さらに他の人物なのか、謎は尽きない。
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