ヴェルディ:歌劇「椿姫」全曲
ヴェルディ:歌劇「椿姫」全曲
ヴィオレッタはやはりマリア・カラスです - ☆
ルキノ・ヴィスコンティ演出、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮で上演され、戦後のスカラ座における最高の舞台と謳われた、伝説の1955年の『椿姫』のライブ録音です。
この舞台の様子は、写真集などからも豪華で迫力の舞台振りが伝わりますが、この録音があることで、その熱気を体感することが出来ます。特にカラスのヴィオレッタは、第一幕では驕慢な高級娼婦、第二幕では愛を諦めることを強いられる悲劇の女性、そして第三幕では、瀕死の病人でありながらなおも生きようと懸命にもがく人間…というように実に多彩で奥深い人物描写を声によって実現しています。
カラスの声で、ヴィオレッタが決してフィクションの人物ではなく血の通った生身の存在であると実感できます。
『椿姫』の録音は数多いですが、これを聞くと他の歌手のヴィオレッタは聞けなくなってしまいました。1955年の録音ということもあって、現在の私達が耳に馴染んでいるようなクリアな音質でもなく、一部聴き取りにくい箇所もあります。しかし、そんな技術的な欠陥を飲み込むほど、この録音はパワーを秘めています。
カラスファンのみならず、『椿姫』ファンにも薦めたい一枚です。
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